BOYS BE すこやか

アレルギー、発達障害、けいれん重積など、険しい年子育児の記録

熱性けいれんとは?発作時の注意点と予後について

子育てしていると切っても切り離せないのが風邪。

軽いものから重いものまで症状も様々で、風邪を引いたことがない人間はなかなかいないでしょう。それぐらいポピュラーな病気です。

乳幼児の場合、風邪で高熱が出ることも珍しくはありませんが、熱が上がっていく過程で「熱性けいれん」が起こる可能性があります。

 

熱性けいれんとは?

ウイルス感染など何らかの原因で発熱し、熱が上がっていく過程で誘発されるけいれん発作のことです。

6歳未満の小児の2〜5%に起こり、最も起こしやすいのは生後6ヶ月から3歳までと言われています。6歳以上のけいれんは、例え有熱の場合であっても熱性けいれんではないとされているため、専門医の診察が必要となります。

急に意識を失ったようになったり、手足をガクガクさせたり、突っ張ったり、硬直させたり、白目を剥いたり、泡をふいたり…その見た目のインパクトは壮絶ですが、人によってけいれんの仕方には差があるようです。(後述しますが、けいれんの種類によっても異なってきます)

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次男の熱性けいれん時の動画キャプチャです。

 

原因は何?

6歳未満の小児は脳が未発達なため、ウイルス感染などによる体温の急激な上昇に伴い神経細胞が強い電流を発生します。その結果、筋肉に余計な運動を指示したり、意識を失ったりしてしまうのです。

しかしこれは個人差が大きく、しょっちゅう高熱を出すのにけいれんはしない子もいるし、年に一度の発熱でも熱が上がると必ずけいれんを起こしてしまう子もいます。

この差やハッキリとしたメカニズムついては未だ解明されていませんが、遺伝する傾向があることは統計でハッキリしています。(遺伝がなくとも起こります)

 

発作が起きたらどうしたらいいの?

私の経験と医師からの指示を複合させた手順を説明します。

  1. ストップウォッチをセットし、時間の計測を始めてください。
  2. 仰向けに寝転がせ、顔はやや横に向けてください。
  3. 深呼吸し、自分の気持ちを落ち着けてください。
  4. もし余裕があれば動画を撮影しておくと医師の助けになります。

☆けいれんが5分未満で止まった場合は、そのまま自宅で経過観察します。

★けいれんが5分以上持続する場合、初回であれば救急車を呼んでください。

注意するポイント
  • けいれん発作中に揺さぶったり、意識を戻すために大きな声で呼びかけたり、抱っこしていると余計な脳の刺激となり、けいれんが増長される恐れがあります。必ず寝かせて、顔だけ少し横を向けて気道を確保してください(泡をふいた場合や、過呼吸になる場合があるため)
  • 医師がけいれん発作のタイプを識別するため、どのような動きをしていたか記憶しておく必要があります。これにより後述する単純型と複雑型の診断が分かれ、予後にも少しだけ関わってきます。こちらは後ほど改めて説明します。
  • けいれんが5分未満で止まった場合も、その後「◯◯ちゃん〜」など普段の呼び方による呼びかけに反応し、目線を合わせるかどうかが重要になってきます。けいれんは急激な脳と体の激しい運動なので体力をとても消耗してしまいます。そのため発作後はグッタリと寝てしまう場合もあり判断が難しいかもしれませんが、5分ほど様子を見て、大丈夫そうであればその後自力で病院に連れて行ってください。
  • その見た目のインパクトから気が動転してしまうと思いますが、殆どの発作は数分で自然に停止します。予後も良好ですし、その後繰り返すことはありません

 

医師に伝えなければならないポイント

ただでさえ辛い思いをしたのに大変だとは思うのですが、とても大切なことになるので、できる範囲で記憶・記録して診察の際に伝えてください。

  • 発作時、どのような動きをしたか
  • けいれんの強さに左右差、上下差があったか
  • 目はどのように、どこを向いていたか
  • 唇の色、吐瀉物、呼吸などの状態はどうだったか
  • けいれんが起こる前の状況はどうか
  • 家族にけいれんを起こした人がいるか
  • いつから、どれぐらいの熱が出ていたか
  • 嘔吐や下痢などの胃腸症状はあるか 
  • 突っ張っていたか、ガクガクしていたか、震えていたかなど

 

予後とフォローについて 

 熱性けいれんは基本的に予後が良好です。一度起こしたら殆どのお子様が発症しないと言われていますが、約40%に再発が認められているそうです。

通常の熱性けいれんなら基本的に何度繰り返しても脳への影響なども問題ありませんが、15分以上続く発作や、けいれん・目の向きに左右差があった場合、一度の発熱で何度もけいれんを繰り返した場合など、けいれん重積と呼ばれる状態になった場合は注意が必要です。

2回以上熱性けいれんを繰り返すと、発熱した際のけいれんを予防するためにジアゼパムという薬(ダイアップ座薬)を処方されることが多いです。

これは脳神経に作用し、けいれんを未然に防いだり止めたりするお薬なのですが、けいれんのリスクが高くなければ慎重に投与した方がいいんじゃないかなぁと個人的には思うのです…。精神薬のようなものなので、副作用が母子ともに辛くて。

 

慌てず、落ち着いて

とにかく、慌てず落ち着いて対処することが大切です。

見た目のインパクトがすごいので気が動転してしまいがちですが、深呼吸を繰り返して頑張ってください…。応援しています。